No.180

「近頃相撲に思うこと」   奥田法樹  2008/9/815:13


 平成19年ほど相撲界が世間を騒がせた年はなかったのではないでしょうか。朝青龍の仮病疑惑、時津風部屋の力士死亡事件、いづれも世の中に大きな衝撃を与えました。朝青龍に至っては謹慎処分が解け、復活優勝をとげた後も横綱としての資質を疑問視する言動が報じられています。
 そもそも横綱の条件として他に範を垂れるべき「心・技・体」の持ち主でなければならないのですが、どうもその条件を満たしていないように思われます。かつて、双羽黒という横綱が師匠に暴行をはたらき追放処分を受けたことがあります。いづれも横綱らしからぬ振る舞いですが、横綱に昇進させた横綱審議委員会の責任も重いのではないでしょうか。また、師匠、協会幹部の管理責任も問われて当然でしょう。しかしながらよくよく考えてみると横綱という最高の地位にいても年齢からいえば若輩であり、一般のサラリーマンで考えると入社後数年の新人といっていいくらいです。そうした彼らに超越した人格者になれといってもそもそも無理なのではないでしょうか。また、日本の伝統的儀礼や宗教色も合わせ持つ相撲道を外国人に理解しろというのも難しいのではないかと感じます。
 続いて時津風部屋の事件については師匠が逮捕されるという前代未聞の事件へと発展しました。ほぼ殺人事件といっていいのではないかと思います。こうした「稽古」に名を借りた暴力が角界にあふれていたとしたら大変遺憾なことだと思います。上下関係の厳しい世界というのは理解できます。しかし、師匠が先頭に立って愛のない行き過ぎた暴力を振るうのはもっての外ではないでしょうか。最近は教育現場でも体罰はないようです。私が子供の頃は体罰というものは日常的にありました。しかし、なにかしら愛情を感じる体罰だったと思います。当然、手加減もしてくれています。師匠と弟子、先輩・後輩の関係でもお互いの立場を尊重し、慕う、慕われる関係を築いて欲しいと思う今日この頃です。

初版 2008/9/8 15:12

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