No.3

株式会社の医業経営参入 萱原 信雄 2003年8月  2004/9/2209:34


政府の総合規制改革会議が自由診療分野で株式会社の医業経営参入を解禁する方針を打ち出したことに対し、様々な議論を呼んでいます。
 株式会社病院の賛成派は、株式会社の方が効率的な経営が実現すると主張しています。しかしながら、株式会社が設置者である病院数は、1990年の85から2003年3月末には62に減少しているそうです。主な減少理由は、賛成派の主張とは逆に株式会社病院の大半が赤字に陥っており、設置者である企業のリストラ対象になったためだそうです。
 株式会社病院の反対派は、国民の命を預かる医療に営利目的の企業参入を認めるべきではないと主張しています。しかし、医療法人は配当こそ禁止されていますが、営利目的でない病院が実際に存在するのでしょうか。民間医療法人の設置者は、病院周辺業務を手がけるMS法人を設立し、院外に財産を移動させており、実質的には非営利とは言えません。
 医療法上は非営利である医療法人でも、法人税法上は営利扱いであり、株式会社と同じ税率30%がかかります(事業税の優遇はありますが)。
 株式会社にすれば、病院経営が効率化するというのはあまりにも幻想的です。また逆に、医療法上は非営利扱いの民間医療法人や公的病院の多くも経営難にあり、非営利が株式会社より優れているとも思えません。要するに、病院経営の非効率の原因は、経営形態にあるのではなく、経営者の判断や経営構造にあると思われます。

医療経営コンサルタント 萱原 信雄

初版 2004/9/22 09:34

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