「小説『信長の棺』」

「小泉首相も感銘を受けた・・・」との広告に思わず購入し読んでみることに。本能寺の変後、信長の遺骨の行方が未だに謎に包まれていることは周知の通り。著書では、本能寺内の空井戸から近くの南蛮寺へ抜け道が作られておりその穴が謎解きのカギとなる設定。もちろん推理の枠内であり、史実とは異なるものである。本能寺の変の起因は家康の接待役の粗相で叱責された光秀の復習とする見方はドラマなどで多々演じられてきた通りだが、近年の安土城の発掘調査により、信長によるクーデターの阻止だったとする説が有力になりつつある。安土城天主下には帝の住まいである清涼殿に似た建物が存在し、近く安土へ遷都し、自らは帝を超える存在になろうとしていたことが伺える。著書では遷都について天象観測を行うためとしている。天象観測による暦の制定は帝の専権であったものの、天文知識がない上に周囲の山に囲まれた都からでは天象観測がままならないという主人公の信長贔屓の理由を述べている。しかし、これまでの権力者が朝廷を武力で席巻し、政治から排除してきたことは明らかであり、これは美談すぎる。よって信長の朝廷に対するクーデターを光秀が阻止したと見る見方が自然であろう。著書にはこの事変には秀吉の陰謀説も取り入れられており、今となっては解明できないであろう謎が凝縮され大変想像力豊かな内容となっている。機会があれば是非、一読されてみてはいかがでしょう。












