「滝口長太郎と田中角栄」

先日、一冊の本をいただきました。滝口長太郎著「逆からの商売発想」という本です。ご存知の方は、いらっしゃるかもしれませんが、滝口長太郎氏は、倫理法人会の設立に尽力された方で、有名な「打つ手は無限」という詩も書いています。この本は、初版が昭和53年で、手元にある本が昭和62年第56刷ですから、当時、大ベストセラーになったのでしょう。確かに、日本経営合理化協会で昭和56年「ゼロから大を築く“不屈の商人道”」と題した講演テープが発売されていました。
日本経営合理化協会の牟田学理事長の弁、「昭和56年1月22日、皇居前のパレスホテルで当協会が三日間開催する「新春全国経営者セミナー」の講師として依頼をしました。参加者は社長ばかり700名、30数名の講師陣の中で、一番人気。話の内容は、極貧の漁師の倅が、喰うや喰わずの生活の中から立ち上がって、団地を築き、飯店を作って、ゴルフ場をオープンさせた。最後に、「打つ手は無限だ!」と叫んで演台を降りると、人垣と数多くの握手が待っていました」
長太郎氏は、大正8年生まれ、尋常小学校卒、父は海草取りの漁師。復員後、昭和26年株式会社長太郎商店を立ち上げ、魚粉肥料、飼料会社から、不動産業、ボウリング場、飲食業と手を広げ、昭和54年には、長太郎カントリークラブをオープンさせました。昭和55年3月期、ピーク時の売上は50億(昭和55年、大卒初任給10万円前後ですので、現在価値で、ほぼ倍の100億円前後の年商)、しかし、平成4年長太郎氏は亡くなり、平成17年株式会社長太郎(旧株式会社長太郎商店)は、負債総額53億円で倒産。
このお盆休み、もう一冊本を読みました。タイトルは、大下英治著「田中角栄と小沢一郎」、長太郎氏の生い立ちは、田中角栄元総理を彷彿させます。角栄氏は、大正7年生まれ、尋常小学校卒、馬喰の倅、昭和9年に上京し、住み込みで働きながら、神田の中央工学校の夜間部に通い、昭和18年田中土建工業を設立、昭和22年に衆議院議員初当選、昭和47年内閣総理大臣に就任。しかし、金脈問題で昭和49年内閣総辞職、51年ロッキード疑惑で逮捕、闇将軍として恐れられるも昭和60年脳梗塞で倒れ、平成5年75歳で死去。
分野、レベルは違いますが、また、賛否両論あるとは思いますが、日本の高度成長期を猛烈に生き抜いた先達ということでは同じでしょう。その先達達の努力の上に、我々の生活が今こうしてあるのだと思います。合掌。












