「人を生かす(上)稲盛和夫著」

大企業、中小企業を問わず、やはり、ヒトの問題で頭を悩ます経営者の方は多くいらっしゃると思います。それは、私どもの事務所にも言えることで、どういう人事体制、給与体系がいいか常に頭を悩まします。
11月初旬、宮脇書店で稲盛会長の「人を生かす」という本を買いました。本の内容は、すべての経営者が直面する人材の育成、組織の活性化がテーマです。その深いテーマを、Q&A形式で稲盛塾の塾生に答えるという形で本にしています。
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注1 稲盛和夫 1932年、鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長。84年第二電電(現KDDI)を設立。2001年より最高顧問。
注2 稲盛塾 1983年、「経営者としての考え方を学びたい」という若手経営者たちの強い要望を受け、ボランティアで始めた経営塾。25年間で塾生は、4,500名。日本で52塾、海外で6塾に拡大。
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ご存知の方も沢山いらっしゃると思いますが、稲盛会長は、1955年、鹿児島大学を卒業。大変な就職難の年で、大学の恩師の紹介でやっと就職できた京都の碍子メーカーの松風工業は、給料も遅配する倒産寸前の会社。27歳の時に、技術部長と意見が対立し、会社を退社。かっての上司が大学時代の友人に呼びかけ、新会社設立のため資本金300万円を用意してくれたり、出資者の一人が、自分の家屋敷を担保に入れて運転資金1,000万円を工面してくれて、京都セラミックス株式会社が、1959年、中卒社員20名を含めた28名の零細企業として産声をあげました。
会社設立当初は、「稲盛和夫の技術を世に問う」という目的で会社を設立したのですが、事業が軌道に乗り始めた矢先、創業2年目に入社した高卒社員11名が、血判状を作成して、将来にわたる昇給、賞与の保障を求め、要求が認められなければ全員辞めると言い出す始末。稲盛会長は、7人兄弟の次男で、家族は、空襲で家を失い、戦後、貧しい生活の中から、大学まで行かせてもらったのに、まだ、自分の親兄弟の面倒すら十分見ることがきていないのに、従業員の生活まで面倒を見なければならないという話で、さすがに、やりきれない思いになったそうです。
これが転機となり、「稲盛和夫の技術を世に問う」と言う当初の目的を捨て去り、京セラの経営理念を「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」と定めました。稲盛会長は、65歳の時に得度するように、我々の煩悩を超越した境地にいますが、稲盛会長の考え方をひとつでも真似できたらいいと思っています。
多くの中小企業経営者は、創業者も二代目、三代目の方も、ほとんどの方が、ヒト、モノ、カネに頭を悩ませています。この本は、中小企業経営者がかかえるヒトの諸問題を稲盛会長の豊富な経験に基づきアドバイスをしてくれています。必ず、皆さんの経営のお役に立つような気がします。ぜひ、一読あれ。内容については次号で。












