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会社にお金が残らない本当の理由(下)

「今、中小企業が手にしている「決算書」は税務署用のものだ。なぜかそれですべてが通用している。銀行も税務署用の決算書を提出してもらって融資を決めている。あの『決算書』にでている『利益』というのはじつは利益ではない。あれは、『税金を払うために計算した数字』でしかないのだ。」
岡本史郎著「裏帳簿のススメ」より

会計学では、「決算書は、投資家、経営者、債権者等の利害関係者に、企業の財政状態及び経営成績を明瞭に報告するために作成する。」と学習しますが、中小零細企業にとって、本当にそうでしょうか?

中小零細企業にとって、決算書は、税務署に税金を払うためであって、我々が手にしている決算書は、「税金を払うために計算した数字」というのが彼の主張です。その根拠は、例えば、3,000万円かけて、ロードサイドにレストランをオープンしたとします。国が定めた耐用年数は20年。したがって、年間の減価償却費は135万円。
ロードサイドのレストランがリニューアルもせずに20年もつとは考えられない。せいぜい4年~7年ということである。ここでは、5年としてみましょう。とすれば、年間の減価償却費540万円。減価償却費が増えるということは利益が減少することを意味していますから、実態とは異なる利益が405万円も水増しして計上されているということになります。

そして、経営者、会計事務所、銀行、税務署もその水増しされた利益を本当の利益と考えて行動している。だから、会社のために「本当の帳簿をつけましょう。」というのがここでいう「裏帳簿」です。(裏帳簿でも税金は減少しません。念のために)
これに近いことは、京セラの稲盛和夫氏が彼の著書「実学」のなかで「バナナの叩き売り」をモデルとして書いています。もっと、深く知りたい人は、彼の「裏帳簿のススメ」若しくは稲盛和夫氏の「実学」をお勧めします。
(注)前月号でも申しましたが、ここでいう「裏帳簿」は、脱税目的の二重帳簿とは全く違いますので勘違いなされないようにくれぐれもお願いします。

ところで、岡本史郎氏が経営上、管理すべく4つの指標をあげています。それは、(1)一人あたり付加価値(2)労働分配率(3)一人あたり経常利益(4)総資本経常利益率(ROA)ですが、その中で、私も経営者として(1)一人あたり付加価値に非常に関心がありましたのでそれを少しご説明したいと思います。

ここでいう付加価値とは、売上から売上に比例して支出される変動費を差し引いて計算した金額をいいます。例えば、魚屋さんが50円で仕入れたサンマを70円で売った場合、差額20円が売上総利益であり、付加価値になります。一方、工務店が3,000万円の家を売った場合、材料費、外注費に1,200万円、現場の大工さんの賃金に800万円支払った場合には、付加価値は1,800万円となります。
この考え方は、私どもが皆様の試算表に未来会計図表を添付している粗利益(MQ)と同じとらえ方です。ここでいう粗利益(M)は、売上総利益の意味とは違います。そして、一人あたり付加価値を算出するには、その粗利益(MQ)を役員及び従業員数で除してください。ただし、パート、アルバイトは、0.3若しくは0.5と便宜的にカウントすればいいと思います。非常勤役員は、カウントしなくてよろしいでしょう。

この一人あたり付加価値は、非上場企業の平均は1,000万円(但し、一部の会社が引き上げているため平均は700万円位だそうです。)、上場企業の平均が1,500万円。
ちなみに、算出方法は少し異なると思いますが、TKCの中小企業の平均が、優良企業で1,010万円、全企業平均で697万円というところです。
彼は、一人あたり付加価値は、1,500万円以上を目指せといっています。今の時代では、それくらいを稼がなくては、とてもリスクを加味した経営は行なえない。贅沢を言えば2,000万円ほしいところだとも言っています。
さて、あなたの会社の一人当り付加価値はいくらでしょうか?



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