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【所長の独り言】「荒天に準備せよ」

なかなかコロナはしぶといです。第3波が収まって、1都3県の緊急事態宣言が解除されましたが、また、コロナ感染者が増えてきました(2021年3月25日現在)。かと言っても経済も回していかなければいけません。国も大変でしょうが、我々中小企業者も大変です。生き残っていかなければなりません。

さて、イトーヨーカ堂の創業者伊藤雅俊名誉会長が「伊藤雅俊の商いのこころ」と言う本を2003年(平成15年)に出版しています。その本の248Pに「荒天に準備せよ」というくだりがあります。このコロナ禍において、ふとそれを思い出しました。

伊藤雅敏名誉会長(1924年生)は自称、万年ペンミスト(悲観主義者)で常に最悪の事を考える癖があります。商家に生まれたので、一つ仕入れを間違うと、たちまち食べられなくなる商売の厳しさ、怖さ。どんなに物が売れていても、必ず売れなくなる時が来ることを体験で知っています。伊藤会長は言います。「私は昭和恐慌の時はまだ子供で確かな記憶はありませんが、恐慌後のデフレや戦争の悲惨さを体験した最後の世代の人間です。人間の力では抗えない、歴史の荒波にほんろうされた経験を持つ人間として、恐慌を含めて、何事も起こり得るという覚悟と備えが必要だと思うのです。」

深い言葉だと思います。ついこの間までインバウンドで賑わっていた街が一瞬にして変わりました。誰が、今回のコロナを想像できたでしょうか?誰も想像できなかった、誰も備えることができなかった出来事かと思います。この本が出版された2003年は、1990年バブルが崩壊して、その後、金融機関、大手企業が破綻していった時代です。当時、イトーヨーカ堂は資本を持ちすぎていると批判されていました。著書を引用すると「ヨーカ堂は資本を持ちすぎているからROE(自己資本利益率)が低いという批判があるのは承知しています。何もない平和な時代の経済が続くことを前提にすれば、50%の自己資本比率は過大資本だと思います。しかし、予測できないことが起きないとは限りません。誰も助けてくれないかもしれない時に、会社が独力で生き延びることを考えておくのは当然ではないでしょうか。」 

実は、最近も似たような話がありました。2019年9月に甘利明税制調査会長が日本企業の内部留保が2018年度で463兆円と7年連続で過去最高を更新していると指摘、「内部留保がたまっていく企業はイノベーション(新たな創造を通して変革を起こし、経済や社会に新たな価値を生み出すこと)が起きていない」と注文をつけました。

ただ、年明けて2020年コロナです。様相は一変しました。企業は資金確保のため融資に頼らざるを得ませんし、電通、エイベックス等日本の名だたる企業が本社を売却しています。財務内容は一気に悪化しました。週刊東洋経済3月13日号に危ない企業の見分け方として、①自己資本比率が10%をきっている会社②手元に現預金がない会社③フリーキャッシュフローがマイナスである会社④借入余力がない会社が挙げられています。ちなみに、1998年(平成10年)ダイエーの自己資本比率は19.1%、イトーヨーカ堂は73.6%、その後ダイエーがどうなったか?歴史が証明しています。政府は大企業に「内部留保をはきだしてイノベーションを起こせ」と言いましたが、我々中小企業にイノベーションは関係ありません。今日のお米、明日のお米です。折にふれ伊藤雅俊名誉会長の言葉を思い出してください。

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