【会長の独り言】「前略 生命保険のお嫌いな社長へ(上)」~税理士 生駒学からのお便り~
平成3年(1991年)に開業して30年を数えます。当時、バブルは崩壊したものの、まだまだ地方都市まではその衝撃波は届いていませんでした。バブル崩壊前、多くの中小企業の行動選択は「借金をしてでも土地を買え」でした。土地は絶対下がらない。「土地神話」です。したがって含み資産になる。例えば、3,000万円の土地を購入した場合、貸借対照表(B/S)には土地3,000万円と計上されますが、仮に、その土地が5,000万円に値上がりしても、B/Sは3,000万円のままで含み益2,000万円に法人税はかからない。また、土地は銀行融資の担保にもなります。そして、いざという時には、売却して、資金繰り、益出し等に使えます。ところが、この「ミラクル資産」がバブル崩壊後は含み損を抱える「プロブレム資産」に様変わりしました。「土地神話」の崩壊です。
さて、本論に入ります。30年、会計事務所を経営してきて、中小企業の栄枯盛衰も見てきましたし、また、様々なタイプの社長にもお会いさせていただきました。結論です。会社が永続的に繁栄を続けるためには、社長は数字に明るくなければなりません。社長が数字に無関心では生き残っていけるかもしれませんが、勝ち残ってはいけません。社長は数字に関心を持たなければいけません。以前、私は、あまりにも借金が多く、赤字続きの社長に、かなり厳しい言い方でしたが、「(銀行の)借金返済のために、生きているのですね」と言ったことがあります。その社長は朝早くから夜遅くまで、土日も働いて、若い銀行員に頭を下げての資金繰り、借金返済の日々です。言外には、「世間体もあるでしょうが、そろそろ・・・」と言う含みもありました。
会社はいい時ばかりではありません。何が起こるかわかりません。その時に、耐えうる会社にしなければいけません。破綻すれば、社長だけではありません。ご家族、社員、取引先、皆が不幸になります。世の中は無常です。どんなにいい経営者、いい社員、いい社風、いいビジネスモデルがあろうとも、永遠の右肩上がりはありません。今回のコロナが教えてくれます。会社は何をすべきか?会社内部にキャッシュを残すことは勿論ですが、土地に変わる含み資産を見つけなければいけません。バブル崩壊前は土地でしたが、バブル崩壊後は生命保険だと私は考えています。我々は会計事務所ですから保険の代理店をしています。大手会計事務所は必ず保険の代理店をしています。それは、中小企業を守るためには保険が必要だからです。
毎日、お客様の月次試算表をチェックしていますが、「この多額の借金を誰が返済するのだろうか?」「社長や役員の退職金準備はできているのだろうか?(社長は退職金は要らないかもしれませんが、奥様の老後はどうするのでしょうか)」「社長にもしものことがあったら、この会社はどうなるのだろう?」と考え込んでしまいます。
「(保険に頼らずとも)預金で会社内部に蓄積していたらいいだろう」とおっしゃる社長がいます。しかし、預金が豊富にあれば、多くの社長は気が大きくなって、過剰な設備投資に走ったり、過剰な人員を抱えたり、特に若い社長は高級外車を買い求めたりもします。人間の性です。しかし、「預金」を「生命保険」にスイッチするだけでも、それを防ぐ効果があると私は考えます。但し、何事もやりすぎはいけません。バブル崩壊前の不動産と同じです。
必要保障額でいいのです。また、生命保険にもデメリットはあります。最大のリスクは「インフレ」です。「インフレ」になると、「生命保険」の価値も下がってしまいます。
次月号では、具体的なプランをご紹介させていただきます。












