2018年6月15日 経理
個人事業主や中小企業にとって書類の保管場所は悩みの種ではないでしょうか。日々の書類は多く、捨てていいのか分からなかったり、税法で保管の必要があったりして、保管場所がないという声を聞きます。そんな悩みを解決してくれる一つの法律が電子帳簿保存法です。条件を満たせばスキャナやスマホでデータにして保存することができます。
目次
文書の電子化によって納税者等の業務効率を上げることや、帳簿書類の保存に係る負担を軽減することを目的とされています。一方では適正公平な課税のため、税務調査時に支障がないよう厳格な要件が決められています。
例えば、2人以上で入力の必要があったり、システムの仕様が定められたりしています。
そのため、電子帳簿保存法が適用できるということは、適正な入力環境があるという証明にもなるといわれています。
対象となる書類は次の4つに分けられ、それぞれ認められる方法が異なります。
①②③はデータ保存、③④はスキャナやスマホ撮影の保存が認められます。
法人は帳簿を備えつけてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成又は受領した帳簿書類をその事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければなりません。
帳簿とは、総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳などを言い、書類とは、棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などを言います。
電子データで備え付けを開始する日の3か月前まで
電子で保存する帳簿や書類の種類、保存の方法などを変更するときは、変更をする前にあらかじめ変更の届出書を提出する必要があります。取りやめるときも同様にあらかじめ取りやめの届出書を提出しなければなりません。
なお、取りやめの届出書を提出すると、届出された承認済国税関係帳簿書類についての電磁的記録の保存承認書は、届出日から1年間提出できなくなります。
タイムスタンプとは、文書がその日時にその内容で存在していたことを証明するものです。税務調査のときに書類の信頼性を確保するため付与が義務付けられています。
タイムスタンプは、認定された事業者のサービスを利用して付与する必要があります。1枚あたり10円が目安となります。スキャナで読み込んだり、カメラで撮影したりしたあと、そのサービスを使用してタイムスタンプを付与します。
とされています。
電子帳簿保存法では、各事務についてチェック機能を働かせるため2人以上の体制で入力する必要があります。ただし、従業員の少ない小規模な事業者の場合、3日以内にタイムスタンプを付与し、税理士などにチェックを依頼すれば1人でも可能です。
それに対して、要件を満たすことが厳しいようであれば今までどおり紙の保存が求められます。要件を満たすかどうかについては慎重に検討する必要があります。顧問税理士がいる場合はご相談されることをおすすめします。
ただし、電子データで保存する場合において怖いことは、データが無くなることです。ウイルスの感染や機器の故障によって、データは無くなってしまいます。バックアップを取ることやクラウドに保存することなどで対策をしましょう。
一方では、資本金1億円超の大企業は平成32年4月1日以後開始事業年度より法人税等の電子申告が義務化される予定です。まずは大企業から電子化を進めようという流れが存在します。中小企業にもいずれ電子化の波が来ることが予想されます。
電子帳簿保存法も要件が緩くなっています。それでも、要件がたくさんありますので、今すぐはできなくても将来メリットが大きくなったときにできるよう準備しておくことも大切です。
資料の保存の仕方でお困りでしたらぜひ生駒学税理士事務所にご相談ください。
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