ふるさと納税の限度額とは?気になる限度額の計算方法

2018年7月17日 節税

3年程前から話題となったふるさと納税。よく聞くけど実際どんなものなの?やってみたいけど手続きは面倒なの?限度額はいくらになるの?という声をよく聞きます。今回はそんな疑問にお答えいたします。

ふるさと納税とは?

ふるさと納税は、地方に生まれ都会で就職した方が、生まれ育った故郷や応援したい自治体に自分の意志で寄附(納税)できるという制度です。また、寄附金額の使い方を指定する事ができ、納税者の意志が尊重される制度となっています。

では、ふるさと納税をすることによってどのようなメリットがあるのでしょうか。

ふるさと納税をした場合、確定申告を行うことで、寄附金額から2,000 円を除いた全額が所得税及び住民税から控除されます。簡単に言うと、ふるさと納税は税金の前払いと言えます。また、寄附した自治体からお礼として返礼品(特産品)が届きます。税金を前払いする事によって地域の特産品が手に入りますので、お得な制度と言えます。

各自治体も自分の町のPRと、税収を増やしたいという想いから返礼品に力を入れるようになりました。その結果、返礼品競争となりテレビや新聞等で取り上げられ一大ブームとなったのです。ですが、ふるさと納税本来の趣旨から外れ返礼品重視の制度となってしまったため、平成29年より返礼品は寄附金額の3割程度という基準が作られました。

ふるさと納税の限度額とは?

ふるさと納税をたくさんすれば返礼品も多く届くし、もっと得するんじゃないかと思われますが、ふるさと納税には限度額があります。限度額を超える寄附をした場合、超えた部分は本当の意味での寄附となってしまいますので、ご注意下さい。

では限度額はいくらになるの?ということですが、

所得金額、所得控除、扶養人数等によって限度額は一人一人異なってきます

会社に勤められているサラリーマンの場合、給与収入と扶養控除の人数で目安の金額は計算できます。会社から交付される源泉徴収票を見ながら、下表の目安金額に当てはめて下さい。また、ふるさと納税サイトに会員登録し、自身の情報を入力すれば限度額がいくらになるか算定してくれるところも多数あります。

(単位:円)

ふるさと納税をした者の家族構成
独 身
又は
共働き
夫婦 共働き+子1人
(高校生)
共働き+子1人
(大学生)
夫婦+子1人
(高校生)
共働き+子2人
(大学生と高校生)
夫婦+子2人
(大学生と高校生)
ふるさと納税をした者本人の給与収入 300万円 28,000 19,000 19,000 15,000 11,000 7,000
400万円 42,000 33,000 33,000 29,000 25,000 21,000 12,000
500万円 61,000 49,000 49,000 44,000 40,000 36,000 28,000
600万円 77,000 69,000 69,000 66,000 60,000 57,000 43,000
700万円 108,000 86,000 86,000 83,000 78,000 75,000 66,000
800万円 129,000 120,000 120,000 116,000 110,000 107,000 85,000
900万円 151,000 141,000 141,000 138,000 132,000 128,000 119,000
1000万円 176,000 166,000 166,000 163,000 157,000 153,000 144,000
1500万円 389,000 389,000 377,000 373,000 377,000 361,000 361,000
2000万円 564,000 564,000 552,000 548,000 552,000 536,000 536,000

出典:総務省ふるさと納税ポータルサイトより作成(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html

注意ここで注意していただきたい点は、限度額はあくまで目安という事です。ふるさと納税は進行年度(1月~12月)に対する寄附金控除ですので、所得が確定するのはふるさと納税実行後となります。そのため、前年の所得をベースに目安として限度額を計算するという事になります。

また、住宅ローン控除を受けられている方、不動産や株式を売却された方等に関しましては、限度額が変わってきますのでご注意下さい。

個人事業主は払いすぎ注意!?その理由とは

個人事業主の場合は限度額の計算方法がわからない、確定申告時に面倒なの?という声も聞きます。

限度額の計算ですが、基本的には、まず確定申告書の「課税される所得金額」を見ていただきます。この金額の10%が概ね住民税所得割額となります。下表の課税総所得金額に課税される所得金額を当てはめて、上限額の計算式で算出された金額が限度額の目安となります。

課税総所得金額 所得税率 上限額の計算式

(課税総所得金額に応じた計算式です。)

195 万円以下 5% 寄附金の目安金額=所得割額×23.558%+2 千円
195 万円超 330 万円以下 10% 寄附金の目安金額=所得割額×25.065%+2 千円
330 万円超 695 万円以下 20% 寄附金の目安金額=所得割額×28.743%+2 千円
695 万円超 900 万円以下 23% 寄附金の目安金額=所得割額×30.067%+2 千円
900 万円超 1,800 万円以下 33% 寄附金の目安金額=所得割額×35.519%+2 千円
1,800 万円超 4,000 万円以下 40% 寄附金の目安金額=所得割額×40.683%+2 千円
4,000 万円超 45% 寄附金の目安金額=所得割額×45.397%+2 千円

出典:神戸市ウェブサイト(http://www.city.kobe.lg.jp/life/support/tax/hurusato3.pdf)

申告手続きはどうするの?

ふるさと納税をした後、原則は確定申告をしていただきます。

確定申告書は、国税庁HPの確定申告書等作成コーナーで作成する事ができます。手順に従って進めていき、寄附金控除の欄にふるさと納税した金額を入力するだけですので、とても簡単です。確定申告書の提出時に、ふるさと納税先の自治体より送付される寄附金受領証が添付書類として必要になりますので大切に保管して下さい。

また、確定申告をする必要がない方の場合で、ふるさと納税する自治体数が5ヵ所以内の場合に限り、ワンストップ特例という制度を利用する事ができます。ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税先の自治体に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出するだけで確定申告をする必要がなく、自動的に翌年の住民税から控除されるという便利な制度です。

まとめ

ふるさと納税を有効に利用するためには、まずは限度額を知ることです。限度額を把握し、計画的に行って下さい。一度にいろんな自治体にふるさと納税をした場合で、返礼品として食料品を選択した場合、ご自宅の冷蔵庫に入りきらなくなる可能性もあります。

また、対象となる方は少ないと思いますが、返礼品は一時所得の対象となります。返礼品の合計金額が50万円を超える場合は、一時所得の申告が必要となりますので、ご注意下さい。

ただ、ふるさと納税は楽しい制度です。ふるさと納税サイトに登録されている自治体数も多数ありますので、返礼品を見るだけでもワクワクします。また、その地域の特産品も知ることができますので、サイトを見るだけで今度行ってみようかなという気にもなります。まだふるさと納税をしたことがない方は一度ご利用されてはいかがでしょうか。

また、個人事業主の方は事業所得が毎年変動します。今年の所得はどれぐらいか予測がつかないので、限度額がわからないという方は生駒学税理士事務所にご相談ください。当事務所では月次関与させていただいた場合、毎月訪問し、月次試算表の作成、説明を行っておりますので、限度額も予測する事が可能です。興味を持たれた方は是非一度ご連絡下さい。

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